CKDステージ・腎機能の見方

CKDステージG3bとは?eGFR30〜44の腎機能をどう見るか

2026年8月6日公開 Masa(腎臓専門医)

G3bの腎機能は、eGFR 30〜44 mL/min/1.73m²にあたるGFR区分です。

ただし、G3bという数字だけでCKDの原因、将来、透析の必要性や薬の量が決まるわけではありません。eGFRの持続期間、尿アルブミン・尿蛋白、変化速度、血圧や服薬を一緒に確認し、必要ならeGFRを計算して経過を記録します。

G3bの腎機能をeGFRと尿検査と経過で考える中性の医学イラスト
G3bは一つの数値だけでなく、ろ過機能、尿所見、時間の経過を組み合わせて考えます。

G3bの腎機能はどのくらい?まずはG区分を確認

G3bは、推算糸球体濾過量(eGFR)が30〜44 mL/min/1.73m²の範囲にあるときのGFR区分です。G3aより低く、G4より高い範囲ですが、同じG3bでも尿アルブミン、原因疾患、年齢、薬剤、検査値の変化によって確認すべき点は変わります。

G区分eGFRの目安見方
G190以上正常または高値。ただし尿異常などがあれば別に評価。
G260〜89軽度低下。腎障害所見の有無と経過を確認。
G3a45〜59軽度〜中等度低下。尿所見や変化速度を組み合わせる。
G3b30〜44中等度〜高度低下。薬剤、合併症、尿所見、経過を個別に確認。
G415〜29高度低下。合併症や腎代替療法の準備を含めて相談。
G515未満腎不全の進行度や症状を踏まえ、専門的な管理を検討。

区分は一般的なGFR分類の目安です。eGFRの計算値は実測GFRそのものではなく、急性に状態が変化しているときや極端な体格では解釈に注意が必要です。

G1〜G5の全体像はCKDステージ全体の早見表で確認できます。本ページは、そのうちG3bに絞って検査結果の組み合わせと次の確認点を整理します。

G3bだけでCKDの重症度は決まらない

CKDは、eGFRが低いことだけでなく、腎臓の障害を示す所見や機能低下が一定期間続いているかを確認して考えます。したがって、G3bが一度出たことと、CKDとしてG3bの状態が続いていることは同じではありません。過去の検査日と数値を並べ、再検査の方針を医療者と相談します。

eGFRのG区分と並んで、尿アルブミンのA区分も重要です。UACRの値は測定条件や検査法を含めて解釈しますが、一般的には次のように整理されます。

A区分UACRの目安考えること
A130 mg/gCr未満尿アルブミンが少ない範囲。ただし他の尿所見や経過も見る。
A230〜299 mg/gCr中等度以上のアルブミン尿として、持続性や原因を確認。
A3300 mg/gCr以上高度のアルブミン尿の範囲。再検査や専門的評価を相談。

G3b・A1とG3b・A3では、同じeGFRでもリスク評価やフォローの考え方が変わることがあります。UACRの計算や単位はUACR計算ツール、尿蛋白全体の見方は尿蛋白が陽性と言われたときのガイドで補足できます。

G3bの結果を3つのパターンで読む

G3bの腎機能をeGFRの範囲、尿アルブミン、検査値の推移で考える医学図解
G3bの解釈では、eGFRの区分だけでなく、尿所見と検査値の推移を同じ視野に置きます。
結果の出方基本的な見方次に整理すること
初めて30〜44慢性か一時的かは未確定過去値、脱水・感染、運動、薬剤、再検査
G3bが一定期間続くCKDのG区分として評価する可能性UACR/UPCR、血圧、原因、合併症、低下速度
短期間でG3bまで低下慢性の判定を待たず急な変化を優先尿量、体調、薬剤変更、尿路閉塞、受診時期

1. 一度だけG3bが出た場合

健診や採血で初めてeGFR 30〜44と分かった場合、以前の数値が同じ範囲だったかを確認します。発熱、下痢、嘔吐、食事や水分の低下、激しい運動、薬やサプリメントの変更があると、採血結果の読み方が変わることがあります。自己判断で薬を止めたり、水分を極端に増減したりせず、再検査の時期を相談してください。

2. G3bが過去から続いている場合

G3bが複数回続くときは、eGFRだけでなくUACR・UPCR、血圧、糖尿病や高血圧の管理状況、貧血や電解質などを必要に応じて確認します。薬剤の投与量や種類は腎機能だけで決まらないため、処方医や薬剤師に現在のeGFRと薬の一覧を伝えて確認します。

3. 数か月で大きく下がった場合

eGFRが短期間で大きく低下した場合は、慢性腎臓病のステージを当てはめることより、急性腎障害、脱水、感染、薬剤、尿路閉塞などを早めに評価することが優先されます。尿量が減った、強いむくみや息苦しさがある、発熱や嘔吐が続くといった変化は、数値の記録がそろうまで待たずに相談します。

G3bで確認する検査と背景

クレアチニンとeGFR

eGFRの計算に使う代表的な値です。単発値より、検査日と過去からの推移を並べると、変化の方向を相談しやすくなります。

尿アルブミン・尿蛋白

eGFRとは別の腎障害情報です。UACRやUPCRを使うか、試験紙結果をどう再確認するかは検査条件と医療者の判断で決まります。

血圧・血糖・電解質

高血圧や糖尿病の管理、カリウムなどの電解質、貧血や酸塩基平衡は、G3bの経過を考えるうえで必要に応じて確認します。

薬剤・筋肉量・体調

処方薬、市販薬、漢方、サプリメント、筋肉量、脱水や感染の有無を確認します。結果と体調が合わないときは追加評価を相談します。

複数の指標を一度に整理したい場合は腎機能測定ツールが補助になります。ただし、計算結果は診断や薬剤調整の指示ではありません。

eGFR G3bの食事・運動・薬は一律に変えない

G3bと分かった直後に、たんぱく質、カリウム、水分、運動を自己判断で一律に制限するのは安全とは限りません。尿蛋白、血清カリウム、栄養状態、糖尿病、心不全、血圧、体重の変化によって適切な方針が変わるためです。

  • 食塩・たんぱく質・カリウムの調整は、検査値と栄養状態を見て医師や管理栄養士に相談する。
  • 水分は多ければよいとは限らず、むくみや心不全、尿量などで方針が変わる。
  • 市販の鎮痛薬、漢方、サプリメントを含めて、開始・中止・変更を医療者へ伝える。
  • 体調が安定している場合でも、無理な運動や脱水を避け、個別に許可された範囲で続ける。

腎機能を「数日で上げる」食品やサプリメントを探すより、血圧・血糖・尿所見・薬剤・検査の経過をそろえる方が、次の判断に役立ちます。生活管理の全体像は腎機能を悪化させないチェックリストも参照してください。

再検査・受診前に整理するチェックリスト

G3bの腎機能について検査記録、医療者との相談、生活管理を整理する医学イラスト
検査値の推移と服薬、体調をまとめてから相談すると、G3bの背景を確認しやすくなります。

持参・記録すると役立つ情報

  • 過去1〜2年のクレアチニン、eGFR、検査日
  • 尿蛋白、尿潜血、UACR、UPCRの結果と採尿日
  • 血圧、体重、血糖、糖尿病・高血圧などの治療状況
  • 処方薬、市販薬、漢方、サプリメントと変更日
  • 発熱、下痢、嘔吐、食欲低下、激しい運動や脱水の有無
  • 尿量、むくみ、息切れ、排尿痛や血尿などの変化

数値が一度G3bに入っただけでも、過去値が分からないと判断しにくいことがあります。手元の検査票を並べ、いつからどの程度変化したかを医療者に伝えてください。

G3bの数字より早めの相談を優先したい変化

  • eGFRやクレアチニンが短期間で大きく変化した
  • 尿量が明らかに減った、ほとんど出ない
  • 強いむくみ、息苦しさ、胸部症状、意識の変化がある
  • 発熱、嘔吐、下痢、食事低下が続き脱水が疑われる
  • 肉眼的な血尿、高度の尿蛋白、高カリウムを指摘された
  • 排尿困難や強い背中・わき腹の痛みがある

G3bは検査値の区分であり、症状の強さをそのまま表すものではありません。強い症状や急な変化がある場合は、CKDのステージを自分で確定しようとせず、地域の医療機関や主治医へ相談してください。

G3bの腎機能に関するよくある質問

G3bならすぐ透析になりますか?

いいえ。G3bはeGFR 30〜44のG区分であり、それだけで透析が必要になることを意味しません。尿アルブミン、原因疾患、変化速度、症状、合併症などを合わせて医療者が判断します。

G3bの腎機能は改善することがありますか?

一時的な脱水や急性の体調変化が影響している場合は、原因への対応後に値が戻ることがあります。慢性の低下については、数値を自己判断で上げるのではなく、原因疾患や血圧、尿所見、薬剤を確認しながら進行を抑える考え方が基本です。

G3bなら食事でたんぱく質やカリウムを制限しますか?

一律の制限は安全とは限りません。尿蛋白、血清カリウム、栄養状態、糖尿病や心不全の有無などで調整が変わるため、医師や管理栄養士に相談して決めます。

G3aとG3bの違いは何ですか?

G3aはeGFR 45〜59、G3bは30〜44です。G3bでは薬剤、電解質、貧血、骨・ミネラル代謝などを含めた確認がより重要になることがありますが、必要な検査や受診先は個別の状態で異なります。

G3bではUACRも確認しますか?

eGFRとは別に、尿アルブミンや尿蛋白は腎障害の程度やリスクを考える材料になります。UACRやUPCRを使うか、どのタイミングで再検査するかは尿検査の結果と医療者の判断によります。

G3bと分かったら何を持って受診すればよいですか?

過去のeGFRとクレアチニン、尿蛋白・UACR、血圧、体重、処方薬と市販薬、検査時の体調をまとめると、経過を相談しやすくなります。急な尿量低下や強い症状があれば、記録を待たずに相談してください。

まとめ

  • G3bの腎機能は、eGFR 30〜44 mL/min/1.73m²のGFR区分。
  • 一度のG3bだけでCKDの持続性、原因、透析の必要性は決まらない。
  • G区分とA区分、過去値、変化速度、血圧、薬剤、体調を組み合わせて見る。
  • 食事・水分・運動・薬は一律に変更せず、検査値と持病を踏まえて相談する。
  • 急な低下、尿量減少、強いむくみや息苦しさがあれば、早めの相談を優先する。

G3bという表示は、腎機能の状態を整理する入口です。数値だけで自己判断せず、尿所見と経過をそろえて、次の検査や治療方針を医療者と確認してください。

参考情報

G3b 腎機能CKDステージG3beGFR 30〜44UACR再検査
免責事項:本記事は一般的な医療情報であり、個別の診断、治療、薬剤調整、食事制限、受診時期の判断を代替しません。検査値の急変、尿量低下、強い症状、妊娠中、透析中、心不全、糖尿病などがある方は主治医の指示を優先してください。